科の概要

　泌尿器科は、尿路（腎、腎盂、尿管、膀胱、尿道）と、男性生殖器（陰嚢、精巣、精巣上体、精管、精嚢、前立腺）、副腎の疾患を対象に、内科的・外科的治療を行っています。扱う疾患は、尿路性器癌（腎癌、腎盂癌、尿管癌、膀胱癌、精巣癌、前立腺癌）、副腎腫瘍（原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫）、前立腺肥大症、尿路結石症、小児先天性疾患（停留精巣、先天性水腎症　等）、女性の排尿障害（切迫性尿失禁、過活動膀胱）、腎不全、神経因性膀胱、小児夜尿症、男性不妊症（乏精子症、精子無力症）、男性性機能障害（勃起障害、射精障害）、尿路性器感染症等、男女問わず、小児から高齢者まで幅広い年齢層の患者さん、そして全身に影響する多彩な疾患を対象に診療しています。

特色ある治療

　高齢患者さんが増加しており、種々の合併症をお持ちの方も多く、特に心血管系、脳血管系疾患、更に慢性腎不全のため血液透析を受けている患者さん等で、手術療法が必要な方については他病院からの紹介が多く、循環器内科、脳神経外科、腎臓内科等、他診療科との連携により、安全に治療を行っております。又、出来るだけ術後の入院期間を短縮するため、看護スタッフ、栄養サポートチーム、リハビリテーションスタッフ等の協力を得て対応しております。

腎癌について

　可能な限り低侵襲な手術として腹腔鏡下手術を行っています。又、腎の外側に張り出した小さな腎癌については、腎機能を保存するため、腹腔鏡下腎部分切除術を主体として行っております。更に下大静脈や右心房へ高度に進行した腎癌については、心臓血管外科の協力のもと、体外循環を併用して安全な手術を行っております。転移性腎癌については、分子標的薬やインターフェロン等を用いて良好な成績を得ております。

尿路上皮癌（腎盂癌、尿管癌、膀胱癌）について

　腎盂癌・尿管癌については、積極的に腹腔鏡下手術を行っております。膀胱癌については、経尿道的膀胱腫瘍切除術（TURBT）が主体ですが、進行癌に対しては、膀胱単純摘除術及び尿路変更として回腸導管造設術を行っております。更に、進行した尿路上皮癌に対しては、抗癌剤治療を主体に行っております。

前立腺癌について

　種々合併症を持つ高齢患者さんに対しては、必ずしも前立腺全摘除術が適当とは言えず、内分泌療法が中心となりますが、当科では放射線科の協力で放射線療法を積極的に行っており、手術療法と遜色のない成績を上げております。又、進行前立腺癌に対して、新規ホルモン療法や抗癌剤治療も積極的に行っております。

尿路結石症について

　現在、尿路結石症の標準的治療となっている、体外衝撃波腎・尿管結石破砕術は、新潟県下で当科が最初に導入しました。以後有数の治療経験を持ち、更に内視鏡手術を併用して良好な成績を収めております。

男性要因の不妊症について

　他施設から紹介を受けた無精子症に対しては、生殖医療センターと共同で、外来手術としての精巣内精子採取術（TESE）を行っております。

手術件数

所属医師紹介

上原　　徹（うえはら　とおる）

諏訪　通博（すわ　みちひろ）

武田　啓介（たけだ　けいすけ）