診療科・部門案内

放射線科

  • 概要
  • 業務内容
  • スタッフ紹介

概要

 放射線科は、画像診断部門と放射線治療部門に大別されます。
 画像診断は、様々な機器を用いて画像情報を提供する部門です。機器の技術革新の進歩はめざましく、日々研鑽しながら、安全で適確な検査、診断を心掛け、放射線科医や看護師と一丸となったチーム医療を行っています。当院では、画像診断機器の中核をなすCTやMRIをはじめ、最新の放射線機器を駆使しており、質の高い診療を行っています。
 放射線治療は、手術、化学療法と並びがん治療の三本柱の一つを担っています。がん細胞へ高エネルギーのエックス線や電子線等の放射線を照射することにより正常組織へのダメージを最小限に抑えつつ、がん細胞を死滅させる治療法です。非常勤医師に新潟大学放射線科教授をお迎えし、年間100例前後の外部放射線治療を行っています。

検査件数(機器共同利用を含む)

  2020年度 2021年度 2022年度
一般撮影 49,464 47,374 54,520
CT 18,950 19,163 18,945
MRI 5,766 5,243 5,891
アンギオグラフィ 2,878 2,357 2,332
核医学  822  883  876
放射線治療 86 90 72
マンモグラフィ 758 745

健診センター業務件数

  2020年度 2021年度 2022年度
CT 146 155 152
MRI 372 374 374
マンモグラフィ 2,196 2,285 2,261
胸部 8,266 8,474 8,025
X線透視 3,209 2,931 2,996

機器共同利用

  2020年度 2021年度 2022年度
CT 243 272 261
MRI 350 335
核医学 42 33
合計 635 640

業務内容

一般撮影検査

〇IMG_0376XP X線を使って胸部や腹部、骨等を撮影する検査です。
撮影装置は、キャノンメディカルシステムズ製のX線装置とコニカミノルタ社製の高性能DR(デジタルラジオグラフィ)装置を新たに採用しています。DR装置は、今までのCR(コンピューテッドラジオグラフィ)装置と違い、X線画像をFPD(フラットパネルディテクタ)にダイレクトで取得でき、CR装置に比べて約半分のX線量で高画質の画像を得られるため、医療被曝の低減になります。
現在の装置は従来に比べ、画像生成時間が大幅に短縮され、検査の効率化の向上に貢献しています。
手術中や病棟でのポータブルX線撮影をDR装置で行っています。撮影した画像が瞬時に描出されるため、その場で手術経過や検査の確認ができ効率的です。

CT検査

 CTは、X線を用いて頭部、体幹部、四肢の“輪切り”画像を得る検査です。
目的の範囲を撮影した後コンピュータ処理により、前や横から見た画像を作成したり、三次元立体(3D)画像を作成したりします。血管や内臓の検査では、医師の判断により造影剤を静脈投与しながら撮影する場合もあります。
現在、キャノンメディカルシステムズ製80列CT装置Aquilion PRIMEと320列CT装置Aquilion ONEの2台体制です。21-0M7A0509調整CT
320列CT装置は、1回転で16㎝の範囲を最短0.275秒・最大640枚の画像を撮像可能なため、脳血管の多時相撮像、並びに冠動脈の一心拍撮像が可能になりました。検査精度の向上に加え冠動脈CT検査時の被曝線量低減と不整脈対応が可能になりました。
ソフトウエアの改善により、従来のCTでは困難であった手術やカテーテル治療等で留置された金属周囲のアーチファクト削減も可能になりました。CT室は救急室に隣接しており、緊急検査にも直ちに対応でき、緊急時の時間短縮につながり、患者さんの負担軽減を図れるようになりました。

CTスタッフ

  • 日本X線CT専門技師認定機構 認定技師:4名
  • 看護師:1名

MR検査

 MRIとはMagnetic Resonance Imagingの略称で、日本語では磁気共鳴画像です。
強い磁力と電波を用い、あらゆる部位の任意の断面を撮像することが出来ます。特に脳、脊椎(髄)、四肢、骨盤腔等や骨の中に生じた病変において精細な画像を描出できることが特徴です。造影剤を使わずに血管の描出が可能です。X線を使わないので放射線被曝はありません。検査中は装置から様々な音がしますが、当院では音楽の聴けるヘッドホンや耳栓を用意しており、不安や騒音の低減に配慮しています。
当院の装置は、原理的により高画質にとれるGE社製3テスラと安定感がありオールラウンダーなPhilips社製1.5テスラの2台です。GE社製は、特に頭部・乳房・骨盤腔・関節領域で高信号・高解像度の画像が撮像できるようになりました。頭部領域においては、従来と比べコイルやステント近傍の血管(血流)も描出できるSilent MRAなど臨床的に意義の高い撮像が可能になりました。Philips社製も多くの対象部位に安定した高画質な画像が撮像できるようになりました。2台の装置は、病院移転時に新規導入された最新機種で、多くの特殊撮像ができ、静音化技術も持っています。

〇IMG_4885MRI3  OLYMPUS DIGITAL CAMERA

GE社製3テスラ              Philips社製1.5テスラ

MRIスタッフ

  • 日本磁気共鳴専門技術者認定機構 認定技師:1名
  • 看護師:1名

当院のMRI検査を受ける方へ(検査に対する主な注意点が記載されています)

血管撮影検査

 血管造影とは、血管の状態や血液の流れを調べるための検査です。アンギオ室(放射線)
太ももの付け根、又は腕の動脈から細い管(カテーテル)を通し、造影剤を目的の血管に注入しながらX線撮影します。血管が狭くなったり詰まったりしていないか、腫瘍を栄養としている血管はどれかなど、血管が関係している疾患を詳しく調べることができます。狭くなった血管を広げたり、腫瘍に栄養を運ぶ血管を塞栓したり等の治療を行うことも可能です。検査・治療時間は30分~数時間となります。
当院の装置は最新のX線検出器(フラットパネルディテクタ:FPD)を装備しており低被曝での検査・治療を提供しています。

血管撮影スタッフ

  • 血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師:1名

核医学検査

 核医学検査は、シンチグラフィ検査やRI検査とも呼ばれます。RI(radioisotope)とは放射性同位元素のことを意味しています。医療で使われる放射性同位元素は微弱な放射線を出す物質です。
検査法は、放射性同位元素で標識した、つまり“目印”をつけた「放射性医薬品」を静脈注射あるいは経口投与し、体内から放出されるガンマ線を画像化することで診断します。
23-0M7A0572調整-1RI検査の種類としては、認知症や脳梗塞の診断等に役立つ脳血流シンチ、心臓の虚血や梗塞等の有無を調べる心筋シンチ、骨に関係する疾患を画像化する骨シンチ、腎臓の機能を調べる腎シンチ等があります。撮影には、ガンマカメラが体の周りを回転しながら写す断層撮影(SPECT)法が広く用いられており、小さな病変の診断に役立ちます。
現在の装置は3検出器型収集装置の東芝社製9300Rと2検出器型収集装置のシーメンス社製Symbia Evo Excelを導入しています。
東芝社製9300Rは3検出器システムを採用しているため、高速データ収集と高画質を両立し、心臓検査や頭部検査において検査時間の短縮や高画質の画像を得ることができるようになりました。シーメンス社製Symbia Evo Excelは、精度の高い画像を描出するフルデジタル検出器を搭載し、被検者の様々な状態に対応して快適な検査を行うことができます。

乳房撮影(マンモグラフィ)

OLYMPUS DIGITAL CAMERA マンモグラフィとは乳房専用のX線検査のことで、視診や触診では分らない小さなしこりや乳腺の乱れ、1ミリ以下の微細な石灰化等を写し出し、早期の乳がんを発見するために有用な検査です。
当院の撮影装置は、直接変換方式FPD(フラットパネルディテクタ)方式を採用しています。今までのCR方式に比べ被曝線量を抑えながら解像力やコントラストがアップし、微細な石灰化や異常の描出に優れています。撮影は、プライバシーの観点から全て女性放射線技師が行っております。

検査方法

  • 検査時間は10分程度です。
  • 診断は左右の乳房を比較して行うため、基本的に両方の乳房を撮影します。圧迫板という透明な板で乳房を挟み、平たく引き伸ばした状態で上下方向と斜め方向の撮影を行います。圧迫して乳房を薄くすることにより重なりを減らし、病変を鮮明に描出することができます。
  • 圧迫時間は数秒~10秒程です。圧迫による痛みは個人差がありますが、生理前から開始後しばらくは乳房が張って痛みを感じやすいです。乳房の張りが治まる生理後一週間くらいが撮影に適していると言われています。

注意事項

  • ペースメーカーや植込型除細動器を装着している方
  • CVポート、脳室・腹腔(V-P)シャントカテーテルを留置している方
  • 豊胸手術を受けられた方

スタッフ

  • 検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師:女性4名

X線透視装置

〇Ultimax-i透視 一般撮影装置はX線による静止画ですが、X線透視装置はX線テレビ装置とも呼ばれ、X線を使ってリアルタイムに胃や大腸を見たり、骨折の整復を行ったりします。
最新鋭のFPDを搭載したキャノンメディカルシステムズ製のX線透視装置を採用しているため、今までより被曝低減を行いながら、歪みの少ない画像を撮影することができます。広範囲の撮影を行うことができるようになったため、全脊椎や下肢全長の画像を歪みなく撮影する事ができるようになりました。嚥下造影では、嚥下(飲み込み)の様子をX線透視画像とビデオカメラで同時に撮影することができるため、より正確な検査を行うことができます。

骨塩定量(骨密度)検査

〇IMG_0373骨密度 骨量減少や骨粗鬆症をはじめとする代謝性骨疾患の診断・治療効果判定を目的に、DEXA法を用いて行う検査です。
DEXA法とは、エネルギーの異なる微量なX線を使い精度の高い骨密度測定を行う、日本骨粗鬆症学会のガイドラインにおいて推奨される優れた検査法です。現在最も普及している踵を測定する超音波法や、手の骨で測定をするMD法、CXD法等と比べて、骨折しやすい腰椎や大腿骨頸部を直接測定するため、より正確な診断を行うことができます。
当院は米国HOLOGIC社製ホライゾン W型を用い腰椎、大腿骨、全身、前腕骨のX線骨密度を測定しています。

 放射線治療

24-0M7A0852調整リニアック 当院ではELEKTA社製の直線加速器ELEKTA Synergyを導入し、外部放射線治療を行っています。X線撮影やコンピュータ断層診断画像装置(CBCT)ができる装置(XVI)が付属されおり、標的に対してより正確に照射が出来る画像誘導放射線治療(IGRT)が可能になりました。放射線治療室を放射線診断部門と別の場所に設け、放射線治療を受けていられる専用の待合スペースや更衣室を作り、プライバシーにも配慮した環境づくりを行っています。

放射線治療スタッフ

  • 放射線治療専門放射線技師:1名
  • 看護師:1名

当院のMRI検査を受ける方へ

検査予約時の注意事項

以下の物が入っている、装着している方はMRI検査を受けることができません。

  • ペースメーカー、ICD,CRT-D等の心臓植え込み型デバイス及びリード(但し、条件付きMRI対応製品は、事前の設定変更等の実施条件を守ることで当院では実施可能です。)
  • 人工内耳や中耳
  • 神経刺激装置
  • 埋め込み式インスリンポンプ
  • 消化管止血クリップ
  • 磁石式義眼
  • その他、人工心臓弁の一部、動脈瘤クリップの一部にもMRI不可の物がいくつか存在します。
  • 重要臓器近くの金属異物(事故・戦争等によるもの)
  • 眼球内金属片
  • 美容整形の金の糸

以下に該当する方は、場合により検査を受けられなかったり、特別な注意事項があります。

  • 妊娠中、妊娠の可能性
  • 子宮内避妊器具
  • 閉所恐怖症
  • 仰向けで静止していることができない
  • 刺青、タトゥー、アートメイク
  • 水頭症治療用シャント
  • 歯科用磁性インプラント
  • その他、手術等で入れた金属

検査予約時の医師、看護師の問診にお答え下さい。
検査直前で思いだした場合は、技師に直ぐお伝え下さい。
また、その他気になること、不安なこと等、遠慮なくお聞き下さい。

検査前の事前注意事項

  • 化粧の顔料に磁性体が含まれている場合があるので、華美な化粧は控えて下さい。特に眼の周囲(マスカラ・アイライン・アイブロウ・アイシャドウ 等)は、検査画像に影響があるだけでなく眼の粘膜等を傷つけたりすることがあります。
  • コンタクトレンズは材質に金属が含まれているものがあります。特にカラーコンタクト、瞳を大きく見せるものは外す必要がありますので、ご自分のケースをお持ち下さい。
  • 手術等で埋め込んだ体内金属のカードをお持ちの方は、当日ご提示下さい。
  • 腹部・骨盤腔の検査、造影剤を使う検査は、検査前絶食が必要となります。詳しい食事制限時間、水分制限については予約時にお伝えします。
  • 腹部MRI、骨盤腔MRI検査の方は、検査当日、鉄サプリメント及び鉄剤を服用しないで下さい。(これらは画像に悪影響を与えます。)
  • 衣服、荷物を置くロッカーは鍵付きですが、多額のお金、貴重品は絶対にお持ちにならないで下さい。紛失がありましても責任は負いかねますので、ご了承下さい。
  • 検査室への金属の持ち込みは大変危険ですので厳禁となります。

以下の物は持ち込めません。必ず外して入室していただきます

酸素ボンベ、シリンジポンプ、心電図、義手・義足、金属を含むシップや絆創膏(例えばニトロダーム、ニコチネル)、ヘアピン、かつら、増毛スプレー、ヘアカラースプレー、ピアス、イヤリング、つけまつげ、補聴器、腕時計、ブラジャー、発熱素材を使った下着(例えばヒートテック)、メガネ、入れ歯、磁気治療具、使い捨てカイロ、カラーコンタクトレンズ(瞳を大きく見せるものも)、磁気カード その他金属類。

大まかな検査の手順

  1. 更衣室で検査着に着替えていただきます。
  2. MRI室用スリッパに履き替えます。
  3. ロッカーの鍵を持ち、MRI待合でお待ちいただきます。
  4. 順番になりましたら技師が迎えに来ますので、MRI室の手前で最終的なチェックをしていただきます。ここでロッカーの鍵を技師にお渡し下さい。
  5. 技師と一緒に入室し、装置に寝転んでいただきます。
  6. 検査の説明・準備
  7. 検査実施
  8. 検査終了

※車いす、ストレッチャーの方は事前にMRI対応の物に乗り換えます。

検査時の注意点

  • 検査時間は通常15分~30分、長い時は1時間近くかかります。
  • 検査中は装置から大きい音(ビービー、ドンドン 等)がします。
  • 当院では音楽の聴ける専用ヘッドホン、耳栓を用意しています。
  • 検査中は技師を呼ぶことができるブザーをお持ちいただきます。
  • 監視カメラで患者さんの様子を見ていますので、ご安心下さい。

造影剤を使用する方へ

  • 事前の問診、同意書が必要となります。
  • 当日に造影剤を注入するための静脈注射があります。
  • 検査内容によっては口から飲む造影剤を使用することもあります。
  • 検査終了後は普段より水分を多めに摂って下さい。

スタッフ紹介

診療放射線技師 25名(うち女性技師8名)
放射線科技師長 富永 真和
放射線科主任 伊佐 健太
放射線科主任 佐野 広晃

資格・認定

  • 第1種放射線取扱主任者:1名
  • 検診マンモグラフィー撮影認定診療放射線技師:4名
  • 日本磁気共鳴専門技術者認定機構認定技師:1名
  • 血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師:1名
  • 放射線治療専門放射線技師:1名
  • 日本X線CT認定技師認定機構認定技師:3名
  • 業務拡大に伴う統一講習会受講済:5名