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9.手術後の経過、復帰

  • 手術後の経過、復帰

退院後の経過、日常生活
術後の生活復帰に関しては、様々な報告が見られますが、どれも経験から延べられている場合が多く、信頼のおけるデータはありません。
ヘルニア診療のエキスパートの中でも意見は一致していません。
術後早期に運動したからといって、再発を早めた、合併症を多くしたと言うデータはありません。
インターナショナルガイドラインでは、患者さん、痛みさえ問題なければ、一日も早く日常生活に戻るべきで、ほとんどの患者さんは、3~5日以内に日常生活に戻る事ができるとしています。
多くの場合は、次のように考えられています。

1. 手術直後から数日
術後の痛みは、鼠径部切開法でも腹腔鏡の場合でも、数日は痛みがあります。
痛みの感じ方は、人それぞれですが、2-3日で改善してきます。
痛みが強いときは、十分に痛み止めを使い、安静にしてください。

2. 手術後1~3週間
術後1-2週間は、デスクワーク、歩行や階段の上り下り程度であれば、仕事復帰が可能です。階段を駆け上がったり、激しい運動はまだ、避けたほうが良いと思います。

3. 手術後3週間以後
鼠径部に力のかかる運動や、筋トレなどは、3週間以上経過してからはじめるのが良いと思います。

※激しい運動に関して
激しい運動に関する論文としては、スポーツ選手が発症するスポーツヘルニアに関するレヴューがあります。このレヴューでは、歩行はすぐに再開できますが、ジョギングやランニング程度の軽い運動は術後3~4週間後から、全力疾走は、3週を過ぎてから、そしてランナーは2~4ヶ月以内に完全復帰できるとされています。
腹腔鏡の手術後では、これよりも6-8週、回復が早いと述べられています。

概して、鼠径ヘルニア術後の完全な回復まで、鼠径部切開法後では17.7週かかり、腹腔鏡手術後では6.1週かかる、と述べられています。

術後経過観察
日帰り手術後、あるいは退院後、1~2週間後に外来を受診していただきます。
ここで、傷の状態や体の状態、痛みなどをチェックします。

問題がなければ、3~4ヶ月後の診察を行います。
さらに、経過観察を続けるかどうかは施設によって、外科医の考え方によって異なります。