秋の読書

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秋は読書の季節ですね、ということは読書の話をする今はもう秋ということで

よろしいでしょうか。

前回「そろそろ夏至です」と言ってから、あっという間に夏超えて秋です

サンマも食べたので、秋認定でいいでしょう、皆さまもう秋です。

 

ということで、久しぶりの投稿

忘れないうちに書こうと思って、久しぶりに投稿しています。

今後、「夏至から秋」までにあったことを

そっと日付を遡って投稿しなおしたいとも思っていますが

そこまでの気力が残っているのか自分でも心配です。

 

アイキャッチ画像は、去年から不定期刊行されている文芸誌「GOAT」です

厚くて中身も沢山なのに、語呂合わせで「510円」というびっくり価格なのでおすすめです。

 

さて、最近すすめられて読んだ本と、読みたくて読んだ本とあったのでその話題です

読みたくて読んだ本が「地雷グリコ」とても面白かったです

連作短編で、主人公が昔からあるゲーム(グリコやじゃんけん、だるまさんが転んだ)で

ライバル達と戦っていくというジャンプみたいな話ですが

そのグリコに「お互いに設定した地雷ポイントがある」など、新しいルールを組み込むことで

壮絶な頭脳戦になるという小説、多分近々映像化しそうな本でした。

 

そしてもう一冊、すすめられて読んだ「嫌われる勇気」です。

なんとなく「管理者として、嫌われることに怯えないで、勇気出して仕事しろよ!」みたいな話かと思って

敬遠していたんですけど、全然違いました。

ここ数年、人気のアドラーの考え方の分かりやすい版でした。

 

ざっくりまとめると「世界はシンプルで、誰もが考え方で幸せになれる」といった内容

人間の悩みの大半は人間関係で、勇気さえあれば幸せになれるというもの

なんか、文章にすると妙にハッピー感がありますが

信用と信頼の話や、主観の貢献感による幸福感

自己や他者の課題に介入しない話など、とても興味深く

少し気持ちが楽になる本でした。

 

唯一「宇宙全体の共同体感覚」にだけは、ちょっと「むー・・」と

すこし難しいところがありました。

 

そして、ラストは妙に映画「国宝」感がありました

これはもう、完全に私の主観なので、共感頂けるかわかりませんが

映画「国宝」のラストと雰囲気がすごく似ているのが不思議でした。

ただ、承認欲求の考え方とか、劣等感優越感の考え方とか

読んでいるとなんとなく全体に少し気持ちが楽になるので、読むのおすすめです。

 

で、なんだかとても不思議なんですが

アドラーの嫌われる勇気を読み終わって、前から読みたかった朝井リョウの「生殖記」を読みました。

この本、本屋大賞2025のノミネートの他、キノベス2025の1位とか取りながらも

著者の強い希望で「ネタばれ禁止」という本になっています。

あらすじとかも殆ど書けない、朝井リョウ自身が

「こんな本です」と言ってしまうと、それこそ敬遠されたり届かなくなる人も出るだろうから

とにかく内容は伝えず、読んでほしいという本。

 

読書メーターでの反響は好き嫌いにすごく分かれていたので、個人的に他人にはすすめませんが

朝井リョウが好きな人には、めちゃめちゃ刺さる感じで、これがまたすごかったです。

そして、「嫌われる勇気」で気になった「共同体感覚」についてがここにきてすごく腑に落ちました。

 

朝井リョウの前作「正欲」もすごかったですが、今回の「生殖記」もすごかった

読書って、純粋に知識を得る学習の他に

小説などの文芸では、自分ではない人の主観に入り込めるというか

自分にない感覚とかをヴァーチャルに感じさせてくれる所がとても好きです。

 

今回の「嫌われる勇気」というアドラーの本と、生殖記

色んな角度から、いろんな意見を読めると、自分の中で解像度が深まって嬉しいです。

ちょうど今の自分が読むべきときにすすめてもらったり、手にとれてよかった。

 

さて、秋の夜長ですが皆さんはどんな本を読まれますか?