エルダースピーク??

夏至が過ぎました、これから日が短くなると思うと少し寂しく感じますね
まだ6月ではあるものの、すでに猛暑日もあったりで
「夏に至る」という割には、もう夏真っ盛りを感じたりします
さて、先日6/10発行の医学界新聞、第3574号がとても興味深い内容がふたつありました
一つは「臨床におけるエルダースピークの問題点」という記事です。
認知症高齢者に対する、コミュニケーション上の過剰な配慮という問題で
「子供に用いるような不適切な語彙の選択」などと書かれていました
この「エルダースピーク」という問題ですが、もう少しわかりやすい記事だと
この辺りのサイトに詳しく載っています
高齢者の方に対しての「軽口」のようなものなどで
「○○さん、さすがプロですね!」といった過剰な褒め言葉も不適切として掲載されていましたが
自分でもちょっとやりそうな、ありがちな言葉の選択のミスで怖いなと思いました
あと短い言葉で「座ってください、座ってください」というものなども書いてありましたが
これらの「エルダースピーク」がBPSDの原因になっているという話で
これは、高齢者医療を行っている当院でも気をつけていかなければと思いました。
少し仕事がバタバタと忙しかったりして、余裕がなくなると
つい言ってしまいがちな言葉などもあるので
本当に気を付けていきたいなと思いました。
そしてもう一つの記事は井部先生の看護のアジェンダです
「丸腰で向き合う」という記事で
「べてるの家」の向谷地先生の幻覚妄想のある方への対応についての話題でした
詳細は記事を参照いただけたらと思いますが
「山姥という妄想」を抱く方の、その妄想世界を分かち合う中で
妄想を抱く人が徐々に自分で妄想をあしらうようになり
退院の話をするようになっていったという話しです
ひと昔前までは、精神科の妄想に対するアプローチって
「妄想を深堀しない」というのが定説になっていたと思います
今は「わかちあう」という言葉で妄想世界を共有するケアの選択も出てきました
患者さんが大きく影響を受けている妄想世界ですから
そこに全く触れないというのも元来おかしかったのだと思います。
精神看護の2023年1月号では、それら「この10年で覆った常識とは」という記事もあります
少しずつ、ケアや対応などについても変わってくることがあります
絶えず情報をアップデートしていきたいですね
井部先生は最後に専門家のアセスメントにも触れながら
「丸腰で向かいたい」と結んでいました
なんとなく、この話もすごく共感できるなと思いました
自分も「時に」丸腰で両手を開いて患者さんと向かい合いたいと思いました。
今年の夏も暑そうですが、皆さま水分しっかり摂って
暑い夏を乗り越えていきましょう。